彫刻-Sculpture-
彫金-CHOKIN-
錺-KAZARI-


彫刻、彫金、飾り、呼び名は様々ですが、共通して言えるのは、金属を直接加工する技術です。
彫金とは、鏨(たがね)を用いて造型したり、彫り用のたがねで模様、デザインを彫る技法のことです。
金属を直接削り、ロウ付け・溶接、石留め等の加工をし、一点物のジュエリーを製作することを飾り職と言います。
これでいくと、彫金師 史郎は飾り職、彫金で良いのですが、昨今は何でもかんでも彫金と呼ばれる風潮で、型で作る生産品や、粘土細工と混同して欲しくないと言うこともあり、彫刻のジュエリーと名乗らせてもらっています。

現代のジュエリー、アクセサリーの殆どは、ブランド、メーカー、個人を問わず、型を作り流し込んで作る、鋳金(ちゅうきん)と呼ばれる方法です。設備、技術など様々な理由により、小規模や個人で鋳造工程をやることは少なく、原型製作→外注にて型作製&鋳造→仕上がりを磨く・加工→完成。このような流れが一般的です。
デザイン・造型の大半は外注作業の工程のため、大量生産にも向くし、数点だけやパーツとしても便利な方法です。

しかし、彫金師 史郎では、この方法では製作しません。型をとれば、模様・デザイン含めて複製できる作品もあります。しかし、そこにはただ模様があるだけで、彫り目の美しさ、彫りの光による反射までを複製することは絶対に出来ないからです。
磨き上げた金属の板に、最終工程一歩手前で直接彫刻するからこそ、彫り目が光り、その光の反射で、絵のような陰影、見る角度・位置によりデザインの立体感が変わる、これが和彫りの良さであり、唯一無二の特徴です。

全面に表現を活かし、随所に彫刻を施した、「現」シリーズ。
シンプルな形だからこそ、絵物語のような面白さ、彫りが際立つ、「禅」シリーズ。
音楽や形のないもの、感じ取るものを表現した、「宙」シリーズ。
写真では作品が持つ良さを伝えきれませんので、是非実物を手にとってご覧くださいませ。